過日ツイッターで簡単にご報告させていただいておりますが、昨日(11月5日)、第5回マニフェスト大賞(主催:マニフェスト大賞実行委員会、共催:早稲田大学マニフェスト研究所、毎日新聞社)において私の応募した「監査委員事務局における公認会計士採用の提言と実現」が、最優秀政策提言賞部門225団体348件の応募の中から5件という優秀政策提言賞を受賞しました。
このマニフェスト大賞とは、
マニフェスト大賞はこれまで注目を集めることの少なかった地方自治体の首長、議員や地域主権を支える市民の活動実績を募集・表彰し、発表することで、地方政治で地道な活動を積む人々に名誉を与え、更なる政策提言意欲の向上につながることを期待するものです。 【引用:マニフェスト大賞ホームページ】
という趣旨のもとに行われており、今年で5回目になるそうです。
私の所属する会派「未来創造」の木村哲也代表が実行委員を務めておられ、木村議員の強い勧めもあり、今回初めて応募させていただきました。
応募した最優秀祭策提言賞は、
審査対象:マニフェストの有無を問わず、議員が議会活動を通じて提案した政策のうち、優れているもの。実現に至っていなくてもよい。政策提言については、提案の背景・提言方法・質問後の取り組み等も評価する。
応募資格:地方議員個人(但し、実現した政策の場合は成果賞での表彰とし、応募資格は会派となる)【引用同上】
というもので、平成21年6月議会で提案した「監査委員事務局への公認会計士の採用」が本年7月に実現し、10月から実際に勤務が開始された一連の経緯を内容として応募したものです。
※賞の詳細については下記のマニフェスト大賞ホームページをご参照ください。
http://www.local-manifesto.jp/manifestoaward/index.html
※提案した平成21年6月議会の議事録はこちら
http://www.city.funabashi.chiba.jp/giji/honkaigikiroku/h21/2r/day6/day6_5.html
※一連の経緯をまとめた市議会レポート第13号はこちら
http://www.taketo2784.net/shigikai_report_no13.pdf
正直言って、受賞の知らせを受けた時は応募したことすら忘れかけていて、受賞と言われても「ああ、応募すれば一応みんな参加賞程度はもらえるんだ」と思ったところ、とんでもない間違いで、前述の通り大変な応募件数の中から選ばれたことに驚いています。
昨日は協賛企業である森ビルが提供する六本木ヒルズ49階のホールで授賞式があり、さらに優秀賞の中から最優秀賞の発表もあるとのことで、若干緊張しながら登壇し、議会改革で引っ張りだこの法政大学廣瀬教授(審査委員)から賞状をいただきました。




残念ながら(?)最優秀賞は逃したものの(ちろっと質問した程度でさらに立派な賞をもらおうなんておこがましいと自分でも思います)、自らの提言が『地方政治のベストプラクティスに資する取り組み』(表彰状より)と評価されたことは純粋に感謝したいと思います。
審査委員の方からいただいた講評は下記のとおりでした。
■優秀政策提言賞講評
藤森克彦みずほ情報総研社会保障藤森クラスター主席研究員
◆日色健人(千葉県船橋市議会)「監査委員事務局における公認会計士採用の提言と実現」
監査委員事務局に公認会計士を採用することが提言されている。自治体の財政が厳しい折、監査の重要性は高まっている。こうした中、識見委員としてではなく、職員として公認会計士を採用することは、他の職員が専門知識を活かした効果的な監査方法を学ぶ機会にもなり、意義が大きい。実際、本年7月に公認会計士の募集が開始された。専門家の採用にはコスト増を伴うことが予想されるが、今後それを上回るだけの成果が期待される。
その他、各賞の受賞内容と講評は下記リンク先のほか、11月6日付の毎日新聞全国版にて報じられています。
http://www.local-manifesto.jp/manifestoaward/pdf/20101105.pdf
http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2010/11/06/20101106ddm010040004000c.html
今回の受賞にあたっての感想ですが、同実行委員会が編集された冊子に提案内容のやや詳細な説明と私のメッセージを寄稿しましたので、以下にその内容を記載します。
重複は避けますが、講評にもあるように、今回の受賞は私の個人的な努力が評価されたというよりは、自治体における監査機能の強化に着目した提言が、今日的な意義を負っているということに尽きるのだと思います。
■タイトル 監査委員事務局における公認会計士採用の提言と実現
■応募者名 日色 健人
■所属議会 船橋市議会
■会派名 未来創造
■提案方法 議会質問(一般質問) ■提案時期 2009年7月9日
◆主な提言内容
平成21年4月に総務省より「地方公共団体における内部統制のあり方に関する研究会」報告書が公表され、地方自治体においても「内部統制」という概念を用いて組織マネジメントを行うことの有効性が提示された。
この中において、監査機能(モニタリング)の果たす役割は非常に重要なものとされているほか、第29次地方制度調査会の答申においても監査制度の独立性のさらなる確保、充実がうたわれている。
しかしながら当市をかえりみると、現職宅地課長の収賄事件、職員の横領、課税ミスなどの不祥事が相次いでおり、財務監査を中心とした現在の監査機能、また監査委員事務局の体制がその役割を十分に果たしていないのではないかとの疑問があった。
上記のような問題意識から、大きくは監査機能の向上を主眼として監査委員事務局職員の人材確保、監査技術の向上、研修体制等について質問を行ったのにあわせ、定期監査における一定の分野(特に公営企業会計等)における専門性を確保すること、またより具体的な監査手法などの専門的な監査の知見を単に得るだけでなく、職員がその手法を学び技術を向上させることを目的として、「公認会計士の任期付き採用」を提言した。
◆メッセージ
提言から1年後の本年7月、当市監査委員事務局は県内初となる公認会計士の募集を実施し、選考の結果、この10月から勤務が開始された。
これに至るまでの間、小職も、知遇を得た大手監査法人の担当者からのヒアリングや、他自治体で実際に勤務されている会計士の方と面談を行い、情報を収集・提供するなど若干の協力をさせていただいたものの、何よりも果断に行動を起こされた代表監査委員以下監査委員事務局の皆さんにまずは敬意を表したい。
「行政無謬神話」という言葉がある。営利企業と異なりリスクをとらず、規程に基づき稟議を重ね、市長が決裁する自治体の意思決定プロセスと組織運営は一見完璧のように思えるが、それでも不祥事は無くならず、市民生活に影響を及ぼす事態も絶えない。地方分権の流れの中、基礎自治体に期待される役割が増大する昨今、組織体としての市(自治体)のマネジメントを確固たるものとし、市民生活に責任を負う安定した自治体運営を行うことがこれまで以上に求められているのではないだろうか。こうした状況下において、今回取り上げた「内部統制」という概念、また特に監査機能の強化こそはこれからの自治体運営に必須のものとなるであろう。
今回の提言と実現、また望外の受賞によって、通常裏方とされる監査業務が自治体の運営にとって重要な位置を占めているとの認識を確認できたことには意義があったと考える。
今後も機会をとらえて、よりよい自治体運営のための方策を提言していきたい。
今回の受賞を励みとしつつ、今後もより高いレベルの提言、議員活動を行っていきたいと思います。
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