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船橋市議会議員 日色健人 意志あるところ必ず道あり

待っていたって、始まらない。さあ、新しい船橋に! より良い船橋のため、日々奮闘する船橋市議会議員 日色健人の活動をつづるブログです。

市税300万円はなぜ無くなったのか。

日色です。
今日13時30分から総務委員会が開催され、先月末に発覚した市税300万円の紛失事故に関する報告と質疑がなされました。

事故の概要については、各紙が報じてますが、比較的詳しいものをあげると以下がよいかと。

毎日 「税金紛失:船橋市が300万円 窃盗か横領の可能性も」

http://mainichi.jp/area/chiba/news/20100427ddlk12040202000c.html


本当に解せない事故であり、被害届を出したことにより捜査が継続して行われています。

今日の委員会では、一連の経過が報告された後、各委員による質疑が行われました。
問題は、300万円がどこに行ってしまったのか(誰が犯人か)ではなく、なぜ無くなってしまったのか、ということです。今日の質疑で明らかになった点も含めて、その手掛かりをさがすと、次のようになるのではないでしょうか。


①本来自主納付すべき税金を、現金で臨戸徴収したこと

そもそも税金は口座引き落としや納付書による払込、窓口での収納が前提となっており、多くの市民は義務としてその納税に応じています。「払ってやるから取りに来い」という特定の市民からの要望に応じること自体が著しく公平性を欠いていると感じます。職員が出向いて現金で徴収せざるを得ないケースを限定し、理不尽な要求には応じるべきではありません。もちろん、さまざまな市民がいらっしゃることも理解できますが、それらに毅然と、かつ公平公正に対応することもまた徴税吏員のプロフェッショナリズムではないでしょうか。結果として事故が起きてしまった以上、職員が現金を扱う機会そのものを減らすことが必要です。


②複数人で臨戸徴収する際の役割分担が定められていなかったこと

今回、納税者宅には職員5名が訪問し、その場で渡された現金を手で数えたということですが、いくつかに分けられた現金を5人がそれぞれ計算したようです。いったんはそこで全額そろったと認識したようですが、本当に合計額が正しかったのか、だれかが責任を持って確認したわけではなかったようです。
当日急に呼び出され、大勢であわてて駆けつけた様子があり、そうしたことも原因のひとつにあるのかもしれません。

③基本動作が万全ではなかった?

今日の質疑の中で、帯封のついたままの現金1700万円(パックされた1000万円と100万円の束7つ)については、納税者宅で数えることはしなかった、ということが明らかにされました。
このうち、100万円の束3つがなくなったということですので、直接的な原因とはなりえませんが、たとえ帯がついていようと、パックされていようと、現金を収納する以上は帯を切って確認するのが最低でも必要な行動ではなかったでしょうか。

④第三者が現金を確認するプロセスが組み込まれていない

今回、現金が幾度かかばんや封筒に移し替えられていますが、そのいずれの際にも「現金がいくらあるか」が確認されていません。このことが、「どこで300万円が無くなったか」を不明にしているもっとも大きな原因です。
タイミングとしては以下の3回がありました。

Ⅰ納税者宅でかばんにしまう時
Ⅱ市役所に戻って、かばんから封筒に移す時
(Ⅲ封筒を会計課の金庫に預ける時)

今日の委員会では、臨戸徴収する際の現行のマニュアルも資料として配布されましたが、ざっとみたところ、外から現金を持ち帰ってから、収納処理をする間に、現金の実際を第三者が確認するプロセスが含まれていません。
今回の事故でも、上記Ⅱで封筒に封をする際、課長が割印を押されていましたが、中の現金の確認はされなかったとのことで、痛恨の面持ちでいらっしゃいました。決して課長個人の責任ではなく、仕組みが整備されていなかったという組織の問題として改善すべきでしょう。


聞けば聞くほど、どこにお金が消えたのか想像もつきませんが、消える要素(消えたことが分からない要素)はそれなりにあったということのようです。
組織の事務が適正に執行されるための仕組み作りを内部統制という言葉で呼びますが、このような事故も「内部統制の不備」としてとらえ、改善を図ることが必要と思われます。
今後、警察の捜査と並行して、重ねて原因の究明、再発防止策が検討されるということですが、単に税務部内の「現金による徴税のあり方マニュアル」という狭い分野に限ったものではなく、全庁的に現金を扱う事務手続きにリスクはないか、事故が起きる要因はないか洗い出しをして、改善すべきものを改善する必要があると考えます。

そのためには外部有識者の意見や、民間金融機関の取り扱いを参考にすることも必要でしょう。
この機会から学ぶことをすべて学ぶことこそ、市民の信頼を回復する最善策ではないでしょうか。
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