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船橋市議会議員 日色健人 意志あるところ必ず道あり

待っていたって、始まらない。さあ、新しい船橋に! より良い船橋のため、日々奮闘する船橋市議会議員 日色健人の活動をつづるブログです。

船橋市保育のあり方検討委員会

日色です。
今日午前中は「船橋市保育のあり方検討委員会」を傍聴しました。

http://www.city.funabashi.chiba.jp/hoiku/hoikukeikaku-kentou3/hoikukeikaku-kentou3.htm

本日配布された資料から抜粋すると、

この委員会は、

船橋市の子育ち・子育て環境の変化を踏まえ、これからの船橋市の保育のあるべき姿について検討し、平成22年11月を目途に船橋市の今後の保育のあり方について提言することとします。なお、平成23年度における行政の施策への反映を考慮し、平成22年8月に一次報告をすることとします。

とされ、論点として

【現状】
①保育園待機児童数の増加
②保育園の老朽化及び耐震化対策
③保育園運営費の増大
④保育の内容
 ・入所円滑化
 ・特別な支援を必要とする子どもの増加
 ・公立保育園の非正規職員の増加
⑤保育所保育指針に基づく保育園の新たな役割<地域の子育て支援>への期待
⑥認可外保育施設への補助

【論点】
①公立保育園の役割、私立保育園の役割
②保育の質の向上
③公立保育園の民営化


があげられました。

今回この委員会を傍聴することとしたのは、保育の問題が市民ニーズの大変強い問題であることはもちろん、市財政にとってもこの問題が大きな負担になりつつあることに対し、強い危惧と懸念を持って議論を行ってきたからです。
昨年12月議会では、老朽化した保育園の建て替えを巡って、この機会に民営化を進めるべきではないかという議論を行い、その際の答弁の中でこの委員会の設置が言明された経緯があります。

以下議事録の抜粋です。

(全文はhttp://www.city.funabashi.chiba.jp/giji/iinkaikiroku/yosan/h21/yosan21y4r_2.html#yosan21y4r_2_01から)

●日色健人委員  話が戻るが、建て替えに合わせて民間委託は考えていない、緊急だから考える時間がないということだが、今お話しいただいた、副市長もお認めいただいた、民間委託を進めるんだというのは、一体、いつ、どういった形で進められるのか。進めるなという意見に対して「進めます」という意見はあるが、「進めてほしい」という意見に対して具体的な答えがないと、これはいつまでたっても両方にいい顔して板挟みになるだけではないか。民間委託の問題について、具体的にどう進めるのか。建て替えという対象園が除外されてしまうのであれば、安全な園からなのか。それともニーズが多いところからなのか、具体的に、今答えられる範囲で答弁いただきたい。

●健康福祉局長 民営化の必要性をどう考えているかということだが、まず基本的な問題意識について話すが、我が市が、保育それから保育以外を含めさまざまな子育てのニーズや要望がある中にあって、それに対して、どこまで、どう対応していくのか、あるいは、市の限られた財源とか人的資源とか既存の施設などをどう有効に活用していくのか、あるいは、市以外のさまざまな主体――市民や法人、さまざまな方々をいかに子育て支援に巻き込んで協力していただくか。そういった全体の中で市の保育のあり方をどう考えていくのかということを真剣に考えていかなければいけない。そういう問題意識を持っている。

 具体的な動き、今後の進め方は、保育のあり方について来年度は動いていきたいと思っている。具体的には、保育のあり方について、有識者による検討会を来年度設置して検討していきたい。そのために必要な予算を来年度当初予算で確保していきたいと考えている。そういう中で公立保育園と私立保育園のあり方、役割分担も具体的に検討していきたいと考えている。

●日色健人委員 今話があった有識者の検討会について伺う。まだ決まっていなければ、しようがないところはあるが、これは民営化をすべきかどうかを議論するものなのか、それとも、民間委託をいかに進めるかを議論するのか、その認識はどうなのか。

●健康福祉局長 民営化については、基本的には進めていく立場であることは繰り返し申し上げているとおりである。どのように進めていくのかということも含めて、保育のあり方全体について議論をしてほしいと思っている。



保育の問題についての私(およびおそらく会派の皆さんのおおむね)の意見としては、

①保育に対する市民の強いニーズ(4月1日現在の待機児童は507人、前年同月比127人増)に対して、行政として応えていかなければならない必要性はある。

②しかし、平成22年度予算で保育所費は約110億円にも上っているほか、今後老朽化した公立保育園舎の建て替えが続くことからもさらなる支出増が見込まれる。保育予算だけが青天井でよいわけではない。

③上記のようなことから、特にコストの観点から、公立保育園の民間委託(民営化)を中心に改革を図る必要がある。

④同時に、公立保育園が担わなければならない役割、私立保育園に担っていただける部分のすみ分け、また他の主体(市独自の認証園制度、認可外保育施設の活用、保育ママ制度、幼稚園など)の活用によってさらなる選択肢を増やすことを検討しなければならない

といったことを考えています。

そうした点において、今回の委員会には大きな期待を寄せているところであり、またその役割を果たしていただかなければ、船橋市の保育事情はさらなる混迷の度を増すことは必定です。

また、今回の委員会は積極的にその情報を公開していく姿勢が本日の会議で示され、今後「委員会だより」といった広報誌を作成して広く市民に議論の経緯を紹介していくこととされました。これは非常に重要なことだと思います。

市民の方と保育の問題について話すとき、意見として頂くのはほとんどが「入りたいのに入れない」「どうしてもっと保育園を増やしてくれないのか」といったものですが、一方で保育園にどれだけの税金が投入されているのか、平たく言えば利用者が利用料としてお支払いいただいている額の何倍もの額がお預かりしているお子さんに投じられてるのかについてはほとんどご存じありません。

費用や利用料負担については公私の差や年齢、収入によって千差万別ですので一概には言えないのですが、たとえば0歳児には大体年300万円近い費用がかかるとされています。それに対し、保育料は最高でも月額6万円(年72万円)ですから、言い方は悪いですが「保育園に入れたお子さんの家庭には200万円以上が投じられ、そうでない家庭には何も恩恵が無い」ということにもなります。

(ちなみに、私の初めての議会質問のテーマの一つも、「保育園児とそうでない乳幼児への税金の投入の格差」でした。議事録こちら http://www.city.funabashi.chiba.jp/giji/honkaigikiroku/h19/2r/day6/day6_5.html

このような点も含め、問題の背景を広く共有しなければ、お互い一方通行の議論になってしまうでしょう。市民とともに保育のあり方を考え、船橋市にとっての最適解を導く必要があります。

次回の会議は5月6日(木)9時半から、以降2週間に1度のペースで議論が続けられるようです。
議論の行方を注視していきたいと思います。


蛇足ですが、本日の会議については傍聴者にも資料を配布いただけるなど、会議の公開に一定の配慮がなされていました。さらに要望すれば、配布資料をホームページに公開いただくこと、また要点筆記の速やかな作成をお願いしたいと思います。

また、いずれ市ホームページに公開されることですが、どのような方がこの委員会の委員になられているかということは関心の高い事項と考えますので、本日配布された資料から転載します。(敬称略)

1号委員(有識者)
会長  森田明美 (東洋大学社会学部教授)
副会長 中原美恵 (東洋大学ライフデザイン学部教授、船橋市教育委員)
    菊地馨実 (早稲田大学法学学術院教授)
    飯島誠一 (公認会計士、元船橋市包括外部監査人)

2号委員(子育て支援関係者) 

田中衛(社会福祉法人恩寵園 めぐみ保育園園長)
生田邦彦(社会福祉法人あけぼの会 中山あけぼの保育園園長)
鈴木淑子(船橋市立中央保育園園長)
上杉美代子(船橋市立夏見第一保育園園長)
柴田あき夫(学校法人健伸学院理事長)※あきは火へんに召)
石井加代子(認可外保育施設 りりぱっと園長)
木野内由美子(NPO法人虐待から子どもを守る支援ネットワークちば事務局長)
佐藤美保子(船橋地区助産師会副会長)
黄木祥久子(船橋市役所職員労働組合福祉施設支部副支部長、元公立保育園保育士)

3号委員(保護者)

小関尚子(船橋市保育園父母会連絡会前会長)
大岩弘己(弥生保育園保護者)

委員の皆さんのご協力に心からの敬意を表するとともに、ご尽力を切にお願いしたいと思います。
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