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船橋市議会議員 日色健人 意志あるところ必ず道あり

待っていたって、始まらない。さあ、新しい船橋に! より良い船橋のため、日々奮闘する船橋市議会議員 日色健人の活動をつづるブログです。

延滞金はいりません?

日色です。
下記記事でもご報告のとおり、本日質疑に登壇しました。

具体的には、市が市営住宅の滞納者に対し、明け渡し請求の訴訟を提起したことに対し、質問を行ったものです。

事案の概要は、市営住宅の家賃を長期滞納している3人に対し、住宅の明け渡しと滞納家賃の支払いを求めて千葉地裁に提訴したというものですが、3人は約230万円から550万円程度を滞納し、もっとも長い滞納者は11年以上にわたって滞納を続け、度重なる督促にも応じなかったということです。

この概要だけでも十分にあきれてしまう内容なのですが、説明を受けながらふと気付いたのが、「なんで訴えの中に延滞金の請求が含まれていないんだろう?」ということでした。

そこから慌ただしい1日が始まったのですが、驚くべきことに市営住宅の家賃の滞納(20年度末決算額で約1億円!)に対して、延滞金はこれまで取っていないということがまず判明。

そもそもどういう条例になっているのかということで、市営住宅条例を参照すると、「延滞金を納付させることができる」という裁量規定になっていることが次に判明。

ここで議論は二つに分かれ、まず

①今回の訴訟にあたって、延滞金を請求額に含めなければ、市が持っている権利をみすみす放棄→市に損害を与える可能性、が発生するのでは?という疑問 

②延滞金を請求「できる」という規定になっていながら、それを行使しないのは、遅れずに一生懸命払っていただいている他の入居者や、市税納付者との著しい不公平があるのでは、という当たり前の疑問 

にそれぞれ論点が発展します。

さらに、市の他の債権を調べると、

①延滞金をきっちり取っているもの(市税など)

②延滞金を取るよう条例で定めてあるけれど、実際には取ってないもの(これは書けない)

③そもそも延滞金を取る規定がないもの(保育料など)

、と一つの市の中でいくつもの基準があることも判明。


ことここに至って、この事実を明らかにし、市としてきちんとした対応を促さなければならないとの思いから、準備の時間も原稿を書く余裕もありませんでしたが急きょ質問に立つことになったものです。

「今回の件を含め、どうしてこれまで延滞金を請求して来なかったのか」という問いに対して、「市営住宅はそもそも低額所得者や住宅困窮者のためのものなので・・・云々」という答えもありましたが、低額所得者にはそれぞれ家賃の減免制度があります。また、今回のような悪質な滞納者に対し、延滞金を免除する理由はありません。

また、今回の訴訟における扱いについても、「督促の段階で延滞金を請求していないので、訴訟に突然請求を上乗せすることは難しい、云々」との、なんとも残念な回答がありました。

私も議員になってから2回同種の報告を受け、見逃してしまっているので強く批判はできないのですが(過去、都合8件の同種訴訟を起こしていますが、いずれも延滞金は請求していない)、どうしてこれまでこんな単純なことに誰も気づいていなかったのか、督促業務を行う担当者だけでなく、決裁印を押した関係者すべては不審に思わなかったのかということが残念でなりません。

同じ市役所でも別の担当では、公金徴収一元化などの取り組みを積極的に行い、実績をあげているにも関わらず、同じ屋根の下でこうした(悪意はないとはいえ)不作為が行われていたことが悔やまれます。

最後に答弁に立った副市長は今後の見直しを約束していただきましたが、私の所属する会派「市政会」では、積極的な是正を求めるメッセージも込めて、今議会に市営住宅条例の改正案を議員発議として提出することとしました。
おおまかには、「納付させることができる」という裁量規定を「納付しなければならない」という義務規定に変更するというものです。

こちらの提案が成立するかどうかはまだ分かりませんが、今回の不適切な事務取り扱いの原因の一端がこの条文にあったとすれば、速やかに改める必要があるでしょう。

議員発議は私も初めての経験ですが、これぞ議員活動の本分ととらえ、取り組んでいきたいと思います。

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