
日色です。
今日は有志議員で船橋市立一宮少年自然の家を視察しました。
施設紹介
http://www.city.funabashi.chiba.jp/ichinomiya/index.htmこの施設は、船橋市の小学校4年生ないし5年生の宿泊学習に用いられ、30代半ば以降の市民にとっては、小学校時代の思い出の場所といっても過言ではない施設です。
私も今日、約20年ぶりに訪問し、大変懐かしい思いがしました。
生憎の雨模様ではありましたが、敷地内および建物をくまなく拝見させていただき、お話を伺いました。
その中で気づいたこと、感じたことを順不同に記載していきます。
・写真は運動広場の様子ですが、広大な敷地を丁寧に維持管理されています。一部テニスコートなど荒れているところもありましたが、芝の状態はゴルフコースと見まごうほどで、お金と手間暇がきちんとかけられて施設がその価値を保っていることが分かりました。
・施設も一部雨漏りなど見られましたが、清掃等行きとどいており、利用者の立場からすれば気持ちよく使用することのできる清潔感が感じられました。
・提供しているプログラムについても、ウォークラリー、飯盒炊爨、陶芸体験、絵付け体験、キャンプファイヤー、ザリガニ釣り、体育館など、オーソドックスではありますが、1泊2日の宿泊学習ではまず十分な内容のようです。
・食事の試食もさせていただきました。若干しょっぱいカレーではありましたが、子供は喜んで食べるでしょう。デザートやジュースなど、子供目線に立てば嬉しいものばかりでした。
・この施設の問題点は、平成15年度の包括外部監査や行政サービス改善プランで指摘されています。
■平成15年度包括外部監査(リンク先54ページから)
http://www.city.funabashi.chiba.jp/kansa/gaibu5.pdf■行政サービス改善プラン(リンク先No305から)
http://www.city.funabashi.chiba.jp/kikaku/kaizen/result/result_shosai2.htm#19shogai指摘の主だったところを要約すると、
①閑散期の稼働率の低さ
②高コスト(赤字)体質
に尽きるようです。
・閑散期の稼働率の低さについては、主催事業の実施などが試みられているようですが、思うように捗ってはいないようです。休日はまだしも、冬場の平日の生涯学習施設を利用する層をどこに見出すか、なかなか名案がありません。
いっそのこと冬場は閉めてしまえ、という意見もありますが、別荘と一緒で半年間締め切った施設は劣化が進むこともあり、どちらがコスト的に良いのか判断が難しいところです。
・人件費を含め、年間約1億2000万円前後の費用がかかっているのに対し、利用料収入は実費徴収分もあわせ2500万円前後しかなく、大幅な支出超過の状態です。「教育施設だから赤字が当たり前」なのかもしれませんが、せめて市内小学生の利用がない時期(閑散期)だけでも、「稼ぐ施設」として何かしらの取り組みができないものでしょうか。
・利用料の収納が、現在でも利用当日の現金授受に頼っていることがわかりました。学校等の利用者にしてみれば、数10万円の現金をただでさえ慌ただしい宿泊学習に持ち運ぶことは大きな負担となっていることが想像できます。何らかの改善を生涯学習部長に依頼しました。
・上記①、②の改善の妨げになっているのが、この施設が「船橋市少年自然の家条例」によって設置され、それに定められた範囲内で運営をすることとされている点です。
船橋市少年自然の家条例
http://www.city.funabashi.chiba.jp/gyosei/reiki_int/reiki_mokuji/r_50.html・この条例に定められている趣旨は、今日の船橋市の子供たちにとっても極めて重要なことであり、その必要性は開館から30年になろうとする現在でも全く変わることはありません。
しかし、この重要性を守りつつも、上記で指摘されたように施設の効率的、有効的な活用を図ることを考える必要があるのではないのでしょうか。そのためには条例の改正も視野に入れた検討が必要になります。
・たとえば、名称から「少年」の二文字を外し、船橋市の総合的な宿泊型生涯学習施設と位置付け、リニューアルすることだけでも、利用者の対象を大幅に広げることができるでしょう。
・もっと踏み込んで提案すれば、オフシーズンは思い切って老人福祉施設とし、適切な料金(それでも市場価格からは若干安くして)を取った上で、アルコールやカラオケも提供する。この場合、市が市内の老人クラブに出している補助制度(旅行に行く際のバス補助)等を関連付けて、一宮に行く場合しか出さないとか。
・今日は教育委員会の担当部長さん、課長さんおよび施設の方とのお話でしたので、どうしても「ここは教育施設ですから」「条例の定めがあるものですから」という範囲を超えての話はしづらかったところがあります。
しかし、教育施設だからといって、年1億円以上の持ち出しで、なおかつ1年のうち数カ月は極端に稼働率が悪い施設を今のまま持っていていい、と市民が思ってくれるかどうか、私は疑問があります。
・ぜひ積極的な改善策を市役所内から出していただくことを期待しますが、私たちからもアイディアを出して、せっかくのこの施設(思い出の場所)を活かしていきたいと思いました。
日色です。
今日13時30分から総務委員会が開催され、先月末に発覚した市税300万円の紛失事故に関する報告と質疑がなされました。
事故の概要については、各紙が報じてますが、比較的詳しいものをあげると以下がよいかと。
毎日 「税金紛失:船橋市が300万円 窃盗か横領の可能性も」
http://mainichi.jp/area/chiba/news/20100427ddlk12040202000c.html本当に解せない事故であり、被害届を出したことにより捜査が継続して行われています。
今日の委員会では、一連の経過が報告された後、各委員による質疑が行われました。
問題は、300万円がどこに行ってしまったのか(誰が犯人か)ではなく、なぜ無くなってしまったのか、ということです。今日の質疑で明らかになった点も含めて、その手掛かりをさがすと、次のようになるのではないでしょうか。
①本来自主納付すべき税金を、現金で臨戸徴収したこと
そもそも税金は口座引き落としや納付書による払込、窓口での収納が前提となっており、多くの市民は義務としてその納税に応じています。「払ってやるから取りに来い」という特定の市民からの要望に応じること自体が著しく公平性を欠いていると感じます。職員が出向いて現金で徴収せざるを得ないケースを限定し、理不尽な要求には応じるべきではありません。もちろん、さまざまな市民がいらっしゃることも理解できますが、それらに毅然と、かつ公平公正に対応することもまた徴税吏員のプロフェッショナリズムではないでしょうか。結果として事故が起きてしまった以上、職員が現金を扱う機会そのものを減らすことが必要です。
②複数人で臨戸徴収する際の役割分担が定められていなかったこと
今回、納税者宅には職員5名が訪問し、その場で渡された現金を手で数えたということですが、いくつかに分けられた現金を5人がそれぞれ計算したようです。いったんはそこで全額そろったと認識したようですが、本当に合計額が正しかったのか、だれかが責任を持って確認したわけではなかったようです。
当日急に呼び出され、大勢であわてて駆けつけた様子があり、そうしたことも原因のひとつにあるのかもしれません。
③基本動作が万全ではなかった?
今日の質疑の中で、帯封のついたままの現金1700万円(パックされた1000万円と100万円の束7つ)については、納税者宅で数えることはしなかった、ということが明らかにされました。
このうち、100万円の束3つがなくなったということですので、直接的な原因とはなりえませんが、たとえ帯がついていようと、パックされていようと、現金を収納する以上は帯を切って確認するのが最低でも必要な行動ではなかったでしょうか。
④第三者が現金を確認するプロセスが組み込まれていない
今回、現金が幾度かかばんや封筒に移し替えられていますが、そのいずれの際にも「現金がいくらあるか」が確認されていません。このことが、「どこで300万円が無くなったか」を不明にしているもっとも大きな原因です。
タイミングとしては以下の3回がありました。
Ⅰ納税者宅でかばんにしまう時
Ⅱ市役所に戻って、かばんから封筒に移す時
(Ⅲ封筒を会計課の金庫に預ける時)
今日の委員会では、臨戸徴収する際の現行のマニュアルも資料として配布されましたが、ざっとみたところ、外から現金を持ち帰ってから、収納処理をする間に、現金の実際を
第三者が確認するプロセスが含まれていません。
今回の事故でも、上記Ⅱで封筒に封をする際、課長が割印を押されていましたが、中の現金の確認はされなかったとのことで、痛恨の面持ちでいらっしゃいました。決して課長個人の責任ではなく、仕組みが整備されていなかったという組織の問題として改善すべきでしょう。
聞けば聞くほど、どこにお金が消えたのか想像もつきませんが、消える要素(消えたことが分からない要素)はそれなりにあったということのようです。
組織の事務が適正に執行されるための仕組み作りを内部統制という言葉で呼びますが、このような事故も「内部統制の不備」としてとらえ、改善を図ることが必要と思われます。
今後、警察の捜査と並行して、重ねて原因の究明、再発防止策が検討されるということですが、単に税務部内の「現金による徴税のあり方マニュアル」という狭い分野に限ったものではなく、全庁的に現金を扱う事務手続きにリスクはないか、事故が起きる要因はないか洗い出しをして、改善すべきものを改善する必要があると考えます。
そのためには外部有識者の意見や、民間金融機関の取り扱いを参考にすることも必要でしょう。
この機会から学ぶことをすべて学ぶことこそ、市民の信頼を回復する最善策ではないでしょうか。
日色です。
標記について、連休明けから駅頭で配布する予定の「船橋の論点vol.30」を作成しましたので、UPしておきます。
下記記事でも書いた、船橋小学校&中央保育園建て替えに対する会派要望をテーマにしました。
市民の皆さんからのご意見が伺えれば幸いです。
http://www.taketo2784.net/ronten_vol.30.pdf